福岡県太宰府市で起きた女性暴行死事件をめぐり、佐賀県警が事件前に女性の家族から繰り返し相談を受けていたことについて、10日の県議会総務委員会で県警の対応を追及する質問が出た。県警の杉内由美子本部長は従来通りの答弁を繰り返した。
井上祐輔委員(共産)が「県民に寄り添わない不誠実な対応だ」とただし、杉内本部長に事件への受け止めを聞いた。杉内本部長は女性と家族に「お悔やみ」を述べつつ、家族からの相談内容は「女性をめぐる金銭貸借トラブル」とし、「被害者に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められなかった」と、従来と変わらない見解を示した。
井上委員は、家族が主張する相談内容と県警の内部文書の記録、調査結果が異なっている点などを繰り返し指摘。これについて刑事部の幹部は「被害者が亡くなったことは大変重く受け止めている」「遺族の考えや意見を踏まえ、慎重に事実を確認して調査結果を発表したもの」などと答弁した。質問と答弁がかみ合わない場面も多くあった。
委員から家族への聞き取りや第三者による再調査を求められた杉内本部長はこれまで同様、「遺族のお考えやご意見を把握している」と述べ、再調査については改めて否定した。
委員会終了後、杉内本部長は報道陣の取材に無言を通し、県議会から約100メートルの県警本部まで公用車で戻った。(平塚学)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル